ティーツリーオイルの使い方と保存法

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は、殺菌、消毒、消臭作用がとても強いオイルです。

切り傷、虫刺され、風邪予防、お部屋の除菌に使うなど、広い範囲で利用することができます。



目次



ティーツリーオイルの使い方

ニキビ、吹き出物に

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は、強い殺菌作用がありながら、デリケートな顔の皮膚を傷つけることがありません。表皮の下まで浸透し、隠れたニキビもきれいにするのを助けます。

 

使い方は、洗顔したあとティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を指先やコットンに取り、ニキビに直接塗布します。


虫刺され

かゆみや痛みを軽減して、治りを早くしてくれます。

かゆみによって掻いたことによる感染を防ぎます。

直接塗布することができ、効果がマイルドなので同じ場所に繰り返し使用しても皮膚の炎症を起こす心配がありません。 

 

昆虫の忌避作用があるので、原液を直接皮膚に塗布したり、キャリアオイルに混ぜて使用したり、または希釈したものをスプレーで体に吹きかけて、蚊やブヨ、ノミに刺されるのを防ぐことができます。 

スプレー液の作り方 >>


水虫、カンジダ症

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は、水虫やカンジダなどの真菌性の皮膚感染症に効果があります。

 

水虫には、患部をよく洗って乾かし、ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を1日2回、直接塗布します。

カンジダ症に消毒剤を使うと炎症を起こして症状を悪化させることもありますが、希釈したティーツリーオイルを使用すると、敏感な部位の皮膚も刺激することがありません。


関節炎

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は皮膚を通して浸透し、皮下組織に働きかけることができます。また、マイルドな麻酔作用により関節炎の痛みを和らげます。

 

3~5滴のティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)をキャリアオイルに加えて、痛みのある部分をマッサージします。


切り傷、すり傷

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は有害なバクテリアを1%の希釈でも殺すことができる殺菌作用があります。それにもかかわらず作用は穏やかで、傷ついた皮膚でもしみることがありません。

麻酔作用により痛みが和らぎます。傷口に直接原液を塗布することができます。

 


風邪、インフルエンザの予防

風邪、インフルエンザ、喉の痛みなど呼吸器系の不調に。

コップ1杯の水、または暖かいお湯に3~6滴のティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を入れてうがいをします。

ティッシュペーパーに2~3滴のティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を塗布して、寝るときに鼻の近くに置いたり、または枕に塗布しておくと即効性があります。

 

風邪が流行する季節には、アロマディフューザーなどで部屋に香りを広げると、ウィルスを殺菌し風邪の予防になります。


オーラルケア

口内炎、口角炎、歯肉炎など、口腔内の殺菌、消毒作用があります。また、口臭予防作用もあります。

歯茎に直接塗布することもできますし、または、コップ1杯の水に、ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)1~3滴を入れて口をすすぎます。

エッセンシャルオイルは脂溶性のため水に溶けにくいので、よく混ぜてうがいをします。


傷、日焼け
マイルドな麻酔作用があり、火傷と皮膚の炎症を鎮めます。

殺菌作用があることで、感染のリスクを軽減してくれます。

火傷の部分に直接塗布することができます。
広範囲の火傷の場合は、医療的処置を受ける必要があります。

挫傷、打撲

挫傷や打撲の部位にティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を直接塗布するか、または、コットンに塗布したもので湿布をすると、損傷を受けた組織の治りを早くします。

毛細血管の血流を増加させるので、損傷を受けた組織に酸素と栄養を送り、治癒を助けます。


花粉症

最近では、花粉症の症状を緩和する効果があるとされています。

花粉症の季節に、マスクにティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を塗布して使用すると、辛い症状が和らぎます。


お部屋のお掃除に

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は殺菌、消毒作用が強く、防臭効果もあるので、バケツの水に数滴のティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を入れて部屋の拭き掃除に使ったり、キッチンや玄関など臭いが気になるところにスプレーして使うことができます。

害虫の忌避効果があるので、拭き掃除をすることでダニの防止になります。

 

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カビの繁殖を抑える

殺菌、消毒作用の強いティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)は、カビにも効果があります。お風呂やカビの生えやすいところにスプレーしてカビの繁殖を抑えます。

 

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精神面への効果

記憶力、集中力を高め、精神を安定させる作用があります。

また、リフレッシュ効果があります。

 

アロマディフューザーを使用したり、お湯を入れた容器にティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を数滴垂らしたり、ティシュペーパーなどに塗布して香りを楽しみましょう。



スプレー液の作り方    
 
お部屋などに
臭いが気になるところや、カビが生えやすいところの消臭、殺菌

用意するもの
・スプレー付き遮光瓶またはプラスチック容器
・水                    100ml
・ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油) 20~40滴

容器に水とティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を入れて、蓋をしてよく振って混ぜます。

エッセンシャルオイル(精油)は脂溶性のため水に溶けにくいので、使用するたびによく振って混ぜてから使います。

スプレー容器は、お部屋や掃除などに使用する場合はプラスチック製でもかまいませんが、アルコールや精油に使えない素材のものはエッセンシャルオイル(精油)によって容器が溶ける場合があります。プラスチック容器を使う場合は、ポリエチレン製などアルコールや精油に使えるものを使用してください。
お部屋や掃除に使用するスプレー液は水でも大丈夫ですが、下記の無水エタノールを使ったスプレー液でも使うことができます。

 

お肌に使用
体にスプレーして、虫刺されを防ぎます

用意するもの
・スプレー付き遮光瓶            50ml用
・無水エタノール              5ml(小さじ1杯)
・精製水                  45ml(大さじ3杯)
・ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油) 10滴(1%濃度)

スプレー付き遮光瓶に無水エタノールを入れ、ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を入れて、蓋をしてよく振って混ぜます。精製水を入れて、更によく振って混ぜます。
エッセンシャルオイル(精油)は水に溶けないので、無水エタノールにエッセンシャルオイル(精油)を溶かしてから精製水を入れるようにします。
お肌に使用する場合は、プラスチック容器ではなく遮光瓶を使用することをおすすめします。
お子様は半分の5滴(0.5%濃度
)にしてください。3歳以下のお子様は肌へ直接スプレーすることは避けて、洋服など肌に触れないところにスプレーしてあげてください。

他の虫除けや除菌、消臭に効果があるエッセンシャルオイル(精油)とブレントして使うこともできます。その場合は使うオイルを合わせて表示されている滴数になるようにしてください。

 

 



エッセンシャルオイル(精油)の保存方法

暗室で保存

エッセンシャルオイル(精油)は揮発性のため、空気に触れると蒸発し、また酸化が進みます。

酸化・変質を防ぐために蓋をしっかりしめて、直射日光、高温多湿を避けて暗室で保存します。

火気の近くで使用したり、置いたりしないようにします。

お子様やペットに注意

飲み込んだり、大量に皮膚に付くと危険ですので、小さなお子様やペットの手の届かないところに保管してください。

新鮮なものを使用

酸化・変質したエッセンシャルオイル(精油)は皮膚に対して刺激が強くなります。

新鮮なものを使うようにして、開封後は約1年くらいを目安に使い切るようにします。

柑橘系のエッセンシャルオイル(精油)は開封後半年以内に使い切るようにします。

古くなったものは、殺菌や消臭に使うようにしましょう。



ティーツリーオイルをお使いになるときの注意

1 ニキビ、傷、火傷、虫さされなど狭い範囲で使用する時は、原液を直接幹部に付けることができますが、原液を広い範囲で使用することは危険ですので、お止めください。

 

原液を使用する場合はパッチテストを行なってから使用することをおすすめします。

肌の弱い方は、ホホバ油などのキャリアオイルで希釈したものをお使いください。

2 エッセンシャルオイル(精油)を飲み込んだり、目や粘膜に使用することは避けてください。

誤って飲み込んだり、目や粘膜に付いた場合は、大量の水で洗い流し、すぐに医師の診察を受けてください。

3 3歳未満のお子様は、ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)を含め、エッセンシャルオイル(精油)の使用は、芳香浴のみにしてください。

4 猫や犬などの小動物には、エッセンシャルオイル(精油)の使用は中毒症状をおこして危険な場合があります。使用しない方がよい精油もあるため、使い方をよく調べて注意深く使用する必要があります。

ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)も同様に使用することは危険ですので、ペットの皮膚についたり、ペットが舐めたりしないように注意しましょう。

 

特に猫に、ティーツリーのエッセンシャルオイル(精油)による中毒症状の事例が報告されています。

猫には危険性が大きいので、猫を飼っている方は注意が必要です。



この本は、ティーツリーオイルの歴史や、収穫、植林の方法、オイルの詳しい使用法など、

ティーツリーオイルのみについて書かれています。


スーザン ドゥルーリー BABジャパン出版局 2006-6